会計論の勉強法
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公認会計士試験における会計論は、正式には「会計学」という科目です。これは3日間にわたる論文式試験の2日目に実施され、記述式の計算問題と理論問題が出題されます。ここではその出題内容や求められる能力などを紹介していきます。
会計論の論文式試験について
財務会計論
財務会計論は公認会計士試験で最も重要ともいわれる科目であり、必須受験科目でありながら全体像が掴みにくく勉強方法に悩む方も多いでしょう。会計学を制するにはこの財務会計論の理論を制することが全てである、といっても過言ではないような重要科目であるため暗記しなければならないボリュームも非常に多く、たくさんの勉強時間を割かなければいけません。
勉強する内容としては大きく「簿記」と「財務諸表論」の二つになり、「簿記」は企業の業績などを明らかにするための日々の会計処理に関する分野です。「財務諸表論」は簿記の前提・基礎となるような会計基準の内容をはじめ、拝啓・学説の対立などとちった理論について学ぶものです。論文式試験を解くにあたっては短答式と同様の知識で対応できますが、しっかりと文章で記載する必要があります。
管理会計論
管理会計論は公認会計士試験の基礎となる科目であり、論文式試験においては「会計学」「監査論」という科目に分類されます。経営管理においては「会社がしっかりと儲かっているかどうか」を認識・把握する必要があり、学問としての会計管理論は企業内部の会計情報を利害関係者に提供しながら経営判断や業績管理に資することを目的としています。これには工業簿記や原価計算といった内容だけではなく、経済的意思決定や経営管理についての内容・事項も含まれています。
管理会計論においても短答式と同じ知識で論文式試験に対応することが可能であり、しっかりと過去問題を解きながら試験対策を行っておくのがよいでしょう。財務会計論に比べるとボリュームが少ないため、学習時間の配分にも留意が必要です。
公認会計士試験・論文式試験(令和4年)
令和4年度の公認会計士論文式試験については、8月19日から8月21日に実施されました。会計学・監査論・企業法・租税法に加え、経営学・経済学・民法・統計学の科目で試験が実施されています。ここでは会計学の試験内容について紹介します。
会計学の試験は午前と午後の一日をかけて実施されますが、午前の試験については指示の不整合や指示不足・問題構造の不備と想定されるような問題もあり、各専門学校の解答速報も不一致が生じるストレスある問題でした。試験内容としては総合原価計算「安定発生」、標準原価計算「理想標準原価」、財務分析、意思決定といったものが出題されており、中でも意思決定の難易度が高くなっています。
また、午後の部では財務会計の概念フレームワーク、株主資本等変動計算書、収益認識基準、税効果会計、自己新株予約権、退職給付会計、連結F/S作成に関する記述の穴埋め、連結B/Sの作成、連結F/Sの作成に関する理論、が出題されています。
参考:公認会計士・監査審査会|令和4年公認会計士試験論文式試験の試験問題及び答案用紙について計画的な学習を
こういった試験対策では知識を学んだうえでしっかりと過去問題を解いていく必要があります。しかしながら試験までの時間は有限ですので、どこにどれくらいの時間をかけて学習するのか、という計画的な時間配分が重要です。