試験勉強のために会社は辞めるべきか?
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ここではサラリーマンをしながら公認会計士を目指す人が会社を辞めるリスクについて解説しています。
会社を辞めてでも公認会計士を目指す?
合格率が低く難関と言われる資格取得を目指す人の中には務めている会社を辞めるべきかどうか悩む人が多いようです。それは公認会計士も例外ではありません。
「結婚願望はありますが、結婚しても男性に頼るだけではなく自分でも稼げるようになりたいと思いました。そこで、会社を辞めて予備校に入学し公認会計士を目指したいと思っています。目標としては2年~3年です。」
「今24歳 公務員1年目なんだけど仕事が退屈で向いてないと感じてる。そこで大学生の時の夢だった公認会計士を目指すために仕事辞めようと思う」
このように公認会計士になるために会社を辞めようと思う理由としては、仕事の両立が難しいので勉強に専念したいということがあるものと考えられます。
これが公認会計士ではなく1~2ヶ月勉強すれば簡単に取得できる資格であれば、会社を辞めるというような人は出てこないでしょう。
つまり公認会計士になるためには勉強に専念しなければ試験をパスすることは困難と考えているということです。
辞めた時のリスクも考えることが重要
勉強に専念したいという気持ちは理解できたとして、一度冷静になって会社を辞めた時のリスクについて考えてみましょう。
会社を辞めて仕事をしなければその間は当然ながら無職になります。ある程度の貯金はあるのかもしれませんが、問題は会社を辞めて勉強に専念したからといってすぐに合格する保証はどこにもないことです。
初期の頃は仕事から開放されてよかったと思うかもしれませんが、試験勉強が2年、3年も続くと合格できない焦りと無収入で苦しくなるばかりです。合格率10%(※)というのはそれくらい厳しいものなのです。
※参照元:日本公認会計士協会:https://jicpa.or.jp/cpainfo/introduction/qa/
貯金が底をつき、公認会計士は諦めて再就職しようということになるとブランクができてそれも難しくなってきます。生活が苦しいからアルバイトを始めたというなら何のために会社を辞めたのかわからなくなります。
また仮に公認会計士試験に合格できたとしてもすぐに独立開業できるわけではありません。2年間の実務経験や補習所通学が必要になりますし、その後、無事に開業できたとしても稼げるまでには時間が必要です。
必要時間数を確保すれば辞める必要なし
公認会計士の試験に合格するためには3,000時間の勉強が必要と言われています。会社を辞めて勉強という発想はそのへんから来ているのかもしれません。
単純計算で1日8時間の勉強を毎日休まずに1年間続ければ2,920時間。おおよそ必要時間数には達することができますが、それで合格できる超人は滅多にいるものではありません。
そのために会社を辞めるリスクはあまりにも大きすぎると言ってよいでしょう。そもそも1年以内に試験に合格しなければならないという規則はどこにもないのです。
公認会計士の試験に合格するまでの年数はだいたい2~4年と言われています。そう考えると会社を辞めてまでも勉強する必要はないことに気がつくはずです。
仮に4年以内を目標にすれば1日2時間の勉強で済みますし、土日などの休日を有効に活用すればさらに効率アップします。
平日は仕事が忙しくて通学するのは困難という場合は、通信講座を利用することもできます。移動の時間がかからないので無駄が無くなります。
現在はネット環境さえ整っていれば、動画で授業を受けることも可能ですしメール等で質問もできます。自分の都合の良い時間に勉強できるという点では通信講座のほうが優れていると言えるでしょう。