公認会計士試験合格後に受ける「修了考査」とは
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公認会計士になるには、公認会計士試験に合格するほかに業務補助と実務従事、そして修了考査に合格しなければなりません。このページでは、その中でも修了考査について詳細をまとめています。公認会計士を目指している人は、ぜひチェックしてみてください。
修了考査とは
公認会計士の修了考査は、公認会計士資格を取得するのに欠かせない最後の試練です。そもそも公認会計士資格を取るためには、試験の合格後に実務経験を積まなければなりません。そのほかにも、公認会計士試験に合格した人が通う「実務補習所」にて研修を受け、単位を取得する必要もあります。そして、これらをクリアした公認会計士試験合格者が最後に受けるのが修了考査です。
修了考査は、公認会計士の業務における基礎知識や思考力の有無を判断するための試験となっています。
修了考査の内容
修了考査では、会計・監査・税・経営・公認会計士の業務といった5科目の試験を実施。公認会計士の業務においては法規および職業倫理が、そのほかの科目では理論及び実務に関する問題が出されるでしょう。
どの科目も記述式で、包括的な内容のため出題範囲もかなり広いです。また、ボリュームも多いので、しっかりと勉強をしておかないと合格は難しいかもしれません。なお、試験は例年12月に2日間にわたって行われ、4月上旬頃に合否が発表されています。
修了考査の合格率
日本公認会計士協会の発表した「令和2年度修了考査合格率」によると、この年は受験者が1,936名であったのに対して合格者数は959名となっています。合格率は49.5%のため、難易度はやや高めの試験であったことが予想できるでしょう。
数年前までは合格率が70%程度という年もあったものの、近年は合格者数が少ない傾向にあります。仮に不合格となっても翌年再チャレンジできますが、一発合格を狙う人は民間の専門学校で開講されている「修了考査対策」を受けるのがベストです。
参照元:キャリアガーデン
(https://careergarden.jp/kouninkaikeishi/shuuryoukousa/)
合格のために必要な勉強時間はどのぐらい?
修了考査に合格するためには、最低でも3~4週間は勉強期間を設けておきたいです。監査法人に勤務している人は10日間の試験休暇が与えられますが、それに加えて3~4週間程度の有給休暇を取得する人がほとんどでしょう。
勉強をスタートするタイミングは人によって違いますが、早くから取り掛かる人は試験の1年前から準備を始めているようです。一方で、遅い人の場合は試験1週間前くらいから勉強を始めるという人もいます。
修了考査に落ちたらどうなる?
修了考査から合格発表までは少し期間が空くので、中には「落ちていたらどうしよう…」「不合格になったら公認会計士の夢は諦めなければならないの?」と不安になってしまう人もいるかもしれません。実際のところ、修了考査に受からなかったとしても合格するまで何度でもチャレンジできるので、気にしすぎる必要はありません。
とはいえ、監査法人で従事している人は、合格が遅れることにより昇格が遅れる可能性があります。一発合格できるよう、なるべく早めに試験勉強を始めると良いでしょう。
修了考査合格後にやること
修了考査合格後は、公認会計士名簿への登録と継続的専門研修制度の受講を行います。公認会計士を名乗るためには、公認会計士名簿への登録が不可欠です。登録までの手順として、まずは必要書類を提出しなければなりません。その後、登録審査会によって審査が行われ、問題がなければ公認会計士名簿への登録ならびに官報に公告されます。
継続的専門研修は、すべての公認会計士に義務付けられている研修制度です。集合研修会などの活動を通して、3年間でトータル120単位以上の単位取得を行います。
修了考査にかんするまとめ
公認会計士資格において最後の試練である修了考査は、論文式試験よりも合格率が高いです。しかい、出題範囲の広さや問題のボリュームの多さから、難易度の高い試験であるとも言われています。
「ポイントを押さえて効率的に試験勉強を行いたい」「1回で合格したい」という人は、専門学校で対策講座を受講するのがおすすめです。